酵素のお話
今日はちょっぴり、酵素のお話を。
巷に溢れる酵素入り健康食品を見ていると、酵母菌と酵素を混同した商品が多く見られます。
どちらも身体に良いことは変わらないので、別にどっちでもいいんじゃないかとも思いますが、とりあえず真面目に犬の健康を考える飼い主様のために、酵素とは何ぞやを書いてみようかなと思いました。
植物は、引っこ抜かれたり刈り取られるなど根や幹からの栄養供給を絶たれると、自分の体に蓄えた栄養素を使って延命し、根を生やしたりすることで生き延びられる環境であれば根を生やして新たな命として再生します。
その時、自分の栄養を分解するために作られるのが酵素です。
酵素は生き物ではなく蛋白質で構成される物質です。
それに対し、酵母は生きた菌による分解の力ですので、摂食する側にとっては似たような効果であってもちょっと違いますね。
まあ体に良ければどっちを摂取してもいいんですけどね。
酵素には代謝酵素を含めると5000種以上種類があるので全ては私も知りませんが、食物酵素として有名なものはジアスターゼ、大根に含まれる炭水化物を分解する酵素ですね。
パイナップル等果実に良く含まれるのは蛋白質分解酵素システインプロテアーゼの仲間が多いです。
これらは元々植物が自分のために作る酵素ですが、それを上手に取り入れることで哺乳類は自分の膵臓・肝臓にかかる負担を大きく軽減することができるのです。
肉食獣が、草食獣を捕まえた時まず先に食べるのが内臓ですが、その内臓から半消化状態の植物・穀物を摂取することは肉食動物にとっては大変貴重な栄養源です。
その中には、活性化した食物酵素や捕食した動物が分泌した代謝酵素によって分解された消化しやすい栄養が豊富に含まれていますので、ビタミンやミネラルを摂るのに重要な部位なのです。
従って、肉食動物といえど野生の動物を捕食できない環境にある「犬」には、植物系の分泌する食物酵素は重要な成分になります。
大事なのはその使い方です。
生野菜や生フルーツは、単体で与えるのではなくドライフードや肉類を与える時に和えることで効果を発揮します。
例えば、当店の一番人気商品である肉団子は、野菜や果物をピューレにした後すぐに肉と捏ね合わせて暫く寝かせます。
これは事前消化という消化方法のひとつで、動物が体内で分泌する酵素を使用せず食物酵素のみである程度まで分解しておく作業です。
※当然、そのための植物原料の選定を行っています。
だから離乳期のデリケートな子犬や先天的にお腹の弱い子でもお腹が緩むことが全くないのです。
もちろん鮮度が高いことは何よりも一番大事ですし、他にもあらゆる消化への工夫はしていますが、この事前消化の過程があるかないかで、消化性の良さは変わってきます。
人間の食事でいうと、肉を擦りおろしリンゴやパイナップルに漬け込んだりする工程がそれに該当しますね。
生で与えた植物から得た消化酵素は、口の中で混ぜ合わされ、食道を通り、胃に到達して消化液に晒されるまで、事前消化を続けます。
消化液は強酸性のためほぼすべての酵素は一時的にその活動を止めますが、酸に強く分解されず残った酵素は腸に到達すると再び活性化して消化の助けをします。
犬は大型犬でも腸の長さが3mほどしかなく、人間の半分以下ですので、この事前消化を取り入れなければ膵臓に大きな負担を強いることになります。
膵臓は代謝酵素を作り出し分泌しているのですが、数百~数千という種類の酵素を生産するには当然沢山の蛋白質やビタミン、ミネラルを消費しています。
全く事前消化されていない食物を胃に入れると、膵臓はそれを消化するための分解酵素を多量に分泌しなければならないということになります。
人間向けのサプリに多い「生きているうちに分泌できる酵素量は同じだから無駄遣いしてはいけない」という意見については、代謝酵素は生きている動植物の中で生産するものなので卵子みたいに限りあるものだとは、今のところ私は考えておりません。
そのあたりは、今後の動物栄養学の進歩によっていずれ整理され、解明されていくものと思います。
膵臓の負荷を軽減してあげることが、元肉食動物である犬の「お腹に優しい食事」と言っても過言ではありません。
穀物の消化が苦手な子には、まずアルファ化することは当たり前ですが、同時に炭水化物を分解する酵素を食べさせてあげること。
肉類を食べる時には蛋白質分解酵素を含む食品を効果的に取らせてあげる。
これは、人間の「食べ合わせ」の考え方と全く同じです。
膵臓は数千の消化酵素を分泌する役割をになっていますが、事前消化のない加熱食品、しかも高蛋白なものを多量に与えることは、膵臓の疲労、ひいては肝臓の疲労に繋がりますので、ドライフードや加熱食品のみで育てている方は老後注意が必要です。
中年期、運動しているのに太ってきた、または、太ってないのに肝臓数値が高いと言われたら、消化(要するに膵臓肝臓の働き)も疑ってみてください。
肝臓は物言わぬ臓器と言いますが、犬において膵臓はもっと物言わぬ上にあらゆる不調を生み出す、大変重要な器官です。
食べ物から得る酵素の役割を理解した上で、効率的な酵素を摂取ができるよう、アドバイスさせて頂きますのでお気軽にお問い合わせください。
10年後も、変わらぬハツラツとした我が子と一緒にいる為に。
巷に溢れる酵素入り健康食品を見ていると、酵母菌と酵素を混同した商品が多く見られます。
どちらも身体に良いことは変わらないので、別にどっちでもいいんじゃないかとも思いますが、とりあえず真面目に犬の健康を考える飼い主様のために、酵素とは何ぞやを書いてみようかなと思いました。
植物は、引っこ抜かれたり刈り取られるなど根や幹からの栄養供給を絶たれると、自分の体に蓄えた栄養素を使って延命し、根を生やしたりすることで生き延びられる環境であれば根を生やして新たな命として再生します。
その時、自分の栄養を分解するために作られるのが酵素です。
酵素は生き物ではなく蛋白質で構成される物質です。
それに対し、酵母は生きた菌による分解の力ですので、摂食する側にとっては似たような効果であってもちょっと違いますね。
まあ体に良ければどっちを摂取してもいいんですけどね。
酵素には代謝酵素を含めると5000種以上種類があるので全ては私も知りませんが、食物酵素として有名なものはジアスターゼ、大根に含まれる炭水化物を分解する酵素ですね。
パイナップル等果実に良く含まれるのは蛋白質分解酵素システインプロテアーゼの仲間が多いです。
これらは元々植物が自分のために作る酵素ですが、それを上手に取り入れることで哺乳類は自分の膵臓・肝臓にかかる負担を大きく軽減することができるのです。
肉食獣が、草食獣を捕まえた時まず先に食べるのが内臓ですが、その内臓から半消化状態の植物・穀物を摂取することは肉食動物にとっては大変貴重な栄養源です。
その中には、活性化した食物酵素や捕食した動物が分泌した代謝酵素によって分解された消化しやすい栄養が豊富に含まれていますので、ビタミンやミネラルを摂るのに重要な部位なのです。
従って、肉食動物といえど野生の動物を捕食できない環境にある「犬」には、植物系の分泌する食物酵素は重要な成分になります。
大事なのはその使い方です。
生野菜や生フルーツは、単体で与えるのではなくドライフードや肉類を与える時に和えることで効果を発揮します。
例えば、当店の一番人気商品である肉団子は、野菜や果物をピューレにした後すぐに肉と捏ね合わせて暫く寝かせます。
これは事前消化という消化方法のひとつで、動物が体内で分泌する酵素を使用せず食物酵素のみである程度まで分解しておく作業です。
※当然、そのための植物原料の選定を行っています。
だから離乳期のデリケートな子犬や先天的にお腹の弱い子でもお腹が緩むことが全くないのです。
もちろん鮮度が高いことは何よりも一番大事ですし、他にもあらゆる消化への工夫はしていますが、この事前消化の過程があるかないかで、消化性の良さは変わってきます。
人間の食事でいうと、肉を擦りおろしリンゴやパイナップルに漬け込んだりする工程がそれに該当しますね。
生で与えた植物から得た消化酵素は、口の中で混ぜ合わされ、食道を通り、胃に到達して消化液に晒されるまで、事前消化を続けます。
消化液は強酸性のためほぼすべての酵素は一時的にその活動を止めますが、酸に強く分解されず残った酵素は腸に到達すると再び活性化して消化の助けをします。
犬は大型犬でも腸の長さが3mほどしかなく、人間の半分以下ですので、この事前消化を取り入れなければ膵臓に大きな負担を強いることになります。
膵臓は代謝酵素を作り出し分泌しているのですが、数百~数千という種類の酵素を生産するには当然沢山の蛋白質やビタミン、ミネラルを消費しています。
全く事前消化されていない食物を胃に入れると、膵臓はそれを消化するための分解酵素を多量に分泌しなければならないということになります。
人間向けのサプリに多い「生きているうちに分泌できる酵素量は同じだから無駄遣いしてはいけない」という意見については、代謝酵素は生きている動植物の中で生産するものなので卵子みたいに限りあるものだとは、今のところ私は考えておりません。
そのあたりは、今後の動物栄養学の進歩によっていずれ整理され、解明されていくものと思います。
膵臓の負荷を軽減してあげることが、元肉食動物である犬の「お腹に優しい食事」と言っても過言ではありません。
穀物の消化が苦手な子には、まずアルファ化することは当たり前ですが、同時に炭水化物を分解する酵素を食べさせてあげること。
肉類を食べる時には蛋白質分解酵素を含む食品を効果的に取らせてあげる。
これは、人間の「食べ合わせ」の考え方と全く同じです。
膵臓は数千の消化酵素を分泌する役割をになっていますが、事前消化のない加熱食品、しかも高蛋白なものを多量に与えることは、膵臓の疲労、ひいては肝臓の疲労に繋がりますので、ドライフードや加熱食品のみで育てている方は老後注意が必要です。
中年期、運動しているのに太ってきた、または、太ってないのに肝臓数値が高いと言われたら、消化(要するに膵臓肝臓の働き)も疑ってみてください。
肝臓は物言わぬ臓器と言いますが、犬において膵臓はもっと物言わぬ上にあらゆる不調を生み出す、大変重要な器官です。
食べ物から得る酵素の役割を理解した上で、効率的な酵素を摂取ができるよう、アドバイスさせて頂きますのでお気軽にお問い合わせください。
10年後も、変わらぬハツラツとした我が子と一緒にいる為に。